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夏の特別展|迷宮の悪夢 [exhibition]

2018年7月13日(金)~7月29日(日)
12:00~20:00日曜日は18:00まで 入場無料 月曜日休廊


2018年夏、妖美に満ちた世界への誘い

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gallery fuでは2018年7月13日(金)から7月29日(日)まで、気鋭の作家12名による夏の特別展「迷宮の悪夢」を開催いたします。
人は誰しも心のなかに光と闇を持っています。惜しみない愛情が光とするならば、憎しみ、嫉妬、怒り、哀しみは闇といえるのでしょうか。闇があるからこそ光が際立ち、光を意識し、未来を切り開くことができるのでしょう。しかし、ときとして人間は自身が抱える闇に打ち負けてしまうのかもしれません。本展覧会では、ともすれば蓋をされ、なかったことにされてしまう人間の奥底に隠れている闇(=恐怖)に迫ろうと試みました。12名の作家が描く、幻想的、空想的な事象を主要な要素とし、美しさのなかに潜む恐怖、恐ろしさのなかに秘められた美が浮かび上がる作品をぜひご高覧ください。

迷宮の悪夢によせて
「恐怖の美学と幾何学」
矢澤利弘(ダリオ・アルジェント研究家)

人々が暗闇を恐れるのはなぜだろう。およそあらゆる生き物にとって、未知のものに対する「怖い」という感情は最も根源的なものである。歴史的に見て、人類はありとあらゆる恐怖に支配されてきた。
2007年に出版されて以来、ベストセラーとなっている中野京子の『怖い絵』シリーズを持ち出すまでもなく、美術史において、絵画と恐怖とは切っても切れない関係にある。人は恐怖に陥ることを忌み嫌う。ではなぜ人々は恐怖の世界を描いたアートに魅せられるのだろうか。
芸術の世界の恐怖と現実の恐怖とは切り離して考える必要がある。イタリアの恐怖映画の巨匠監督ダリオ・アルジェントは次のように語っている。
「殺人は映画の中で重要な要素である。だが、騒ぎ立てる必要はない。なぜなら、観客は殺人が物語だと知っているからだ。映画の死は現実ではなく、血は作り物だと分かっている」。
途方もない出来事や悪夢のような世界。あまりに暴力的なので思わず顔を背けたくなる作品もあるかもしれない。しかし、アートのなかでの体験は現実の恐怖とは違う。
「怖い」アートに触れることは儀式に参加するようなものである。現実を離れて、徹底して作り込まれた形式美がもたらす快楽を堪能することこそが、悪夢を具現化した作品を観る楽しみのひとつだ。人々は暗闇を恐れる。だが、まばゆい光のもとでは我々は眠ることができない。深い眠りにつき、自らの心を癒すためには夜の暗闇もまた必要なのである。

それでは心に余裕を持って、この崇高な儀式に参加しようではないか。

参加作家|アズミ紗羅|川口絵里衣|齋藤杏奈|空野菜摘子|担木目鱈(タギメタラ)|田代聖晃|平野太一|牧田恵実|宮川慶子|山口友里|横田宙八|渡邊里絵香

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